Takahashi, Y., Sipp, D. and Enomoto, H. (2013)
Tissue interactions in neural crest cell development and disease. Science 341: 860-863
PMID: 23970693 [PubMed - indexed for MEDLINE]


 神経堤細胞は、発生過程で一過性に生じる細胞集団であり、長距離にわたる細胞の移動を経て末梢神経細胞を含む様々な細胞に分化します。神経堤細胞の分化や移動の異常により副腎・交感神経系の悪性腫瘍である神経芽腫や先天性の腸管神経欠損であるヒルシュスプルング病などが誘導されます。
神経堤細胞は細胞外環境から多様な細胞外シグナルを取り込むことにより適切な移動と分化を遂行できます。したがって、神経堤細胞とそれをとりまく組織や細胞群との相互作用の理解は、神経堤細胞に由来する組織の発生と病態の理解につながります。
近年の遺伝学的解析やイメージングは神経堤細胞の移動と分化において予想外の細胞の振る舞いや組織−細胞間相互作用を明らかにしてきました。本総説では副腎・交感神経や腸管神経の発生を制御する血管組織、末梢神経支持細胞(シュワン細胞)による血管パターン形成や造血幹細胞の制御、シュワン細胞のリプログラムを通した病原体の播種など過去2年間になされた驚くべき発見の数々を紹介します。そして、神経堤細胞の移動と多分化能が組織-細胞間相互作用でどのように制御されているかについて議論します。

 

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図:発生・分化における神経堤由来の細胞(青)と他の起源の細胞(赤)の相互作用を矢印に示している。


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