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公募班


村松 里衣子:大阪大学大学院医学系研究科・助教

研究課題名「中枢神経組織の修復に関わる血管由来分子の探索」

 中枢神経傷害後の血管―神経ワイヤリングの形成機構について研究します。様々な中枢神経系疾患で、血管や神経が破壊され、重篤な神経機能障害が生じることが知られています。しかし、時間が経つにつれて、血管網と神経網は自然に修復し、わずかではありますが神経症状も改善します。これまでに、傷害部位で新生した血管が神経組織の修復を促すことを見出しました。本課題では、神経組織の修復に関わる血管由来分子の探索を、マウスの培養細胞を用いて行います。得られた分子がin vivoでも神経組織を修復させるか検討します。
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今井 淳太:東北大学病院、東北大学大学院医学系研究科・講師

研究課題名「膵β細胞増殖を促す迷走神経由来因子の探索」

 血糖値の調節には、インスリンを分泌する膵β細胞数の制御が重要です。膵β細胞数が増加する代表的な例として、肥満の状態があげられますが、どのようにしてこの増加が起こるのかについては不明な点が多く存在します。我々は個体において肝臓−内臓神経求心路−中枢神経−迷走神経遠心路−膵β細胞という神経ネットワークを介して膵β細胞が増加を始める機構が存在すること、これが肥満状態での膵β細胞数増加にも関与していることを見出しました。膵β細胞が存在する膵ランゲルハンス島は、周囲の膵外分泌組織と比べて迷走神経を含む自律神経による支配が豊富であることが知られています。これらの背景から、本研究では膵β細胞増殖を促す迷走神経由来因子の探索を行いたいと考えています。
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研究代表者:北舘 祐  基礎生物学研究所・助教
連携研究者:高橋 智、杉山 文博、依馬 正次

研究課題名「精子幹細胞ニッチと血管のワイヤリング」

 血管は精細管表面を網の目状に覆う。近年、血管が精子幹細胞の空間パターンを規定することが示され、血管が精子形成の連続性に関わることが予想された。しかし、血管がどのように幹細胞や精子形成を制御するかは未だ不明である。本研究では、申請者が同定したニッチ細胞を軸に、血管がどのように幹細胞を制御するかを明らかにする。具体的には、@ニッチ細胞による幹細胞制御機構、Aニッチ細胞と血管の相互作用、および、B再生における血管と幹細胞の相互作用を明らかにすることで、血管―ニッチ細胞―精子幹細胞の相互作用(ワイヤリング)を明らかにする。
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依馬 正次:国立大学法人 滋賀医科大学 動物生命科学研究センター・教授

研究課題名「血管と諸器官のワイアリング機構」

 発生初期の血管内皮(前駆)細胞は、内胚葉系組織の分化誘導に関わることが報告されているものの、中枢神経系、中胚葉系組織の分化誘導や組織構築に関与するかどうかは不明である。我々は、血管内皮細胞を欠失したFlk1 KOマウス、血管内皮細胞が過剰に発生するFlt1 KOマウスを用いて、血管内皮細胞が諸器官の分化誘導や組織構築に関与するかどうか個体レベルで検証することを目指しています。また、血管内皮細胞において蛍光タンパク質を発現する遺伝子改変マウスは、血管―神経ワイアリング研究を推進する上で重要であると考えられことから、血管イメージングに有用な蛍光タンパク質トランスジェニックマウスを作出し、領域全体で共有したいと考えております。
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宝田 美佳:金沢大学医薬保健研究域医学系・助教

研究課題名「アストロサイトに発現するNdrg2による血管―神経連関モニタリング」

 中枢神経系において、神経細胞のシナプスや微小血管は共にアストロサイトの終足によって覆われています。また、病態時における血液脳関門破綻や神経障害性因子の拡散の制御へのアストロサイトの関与がわかってきています。正常時と病態時における血管―神経連関の変化はアストロサイト機能変化であるという概念のもと、アストロサイトにおいてストレスに鋭敏に応答する分子Ndrg2に注目します。脳梗塞や脳損傷のマウス病態モデルを用いた解析を通して、アストロサイトの視点から血管―神経連関の分子機構の解明を目指します。
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石崎 泰樹:群馬大学大学院医・教授

研究課題名「血管細胞−オリゴデンドロサイト細胞系譜の相互依存性の解明」

 近年私は白質障害の機能を改善させる治療法の開発を目的とする実験を開始し、脳微小血管細胞を内包梗塞巣に移植するといったん脱髄した軸索の再髄鞘化が劇的に促進されることを見出しました。予想に反して梗塞巣及びその周辺の血管新生は促進されておらず、脱髄軸索の再髄鞘化促進効果は未知の機序によるものであることが示唆されました。すなわち、脳微小血管細胞がオリゴデンドロサイト(ないしその前駆細胞)に大きな影響を及ぼし、その機能低下を回復させることが示唆されたわけです。私はその分子実体を明らかにすると共に、逆に血管細胞の生理機能がオリゴデンドロサイト細胞系譜に依存するかどうかも検討したいと思います。
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山岸 覚:浜松医科大学解剖学講座神経機能学分野・助教

研究課題名「血管-神経ガイダンスにおける共通分子実態の解明」

 血管は中胚葉から発生し、神経は外胚葉から発生する。由来は異なれど、発生過程において、両者は全身に複雑な2大ネットワークを構築する。これらのネットワークはただ単に複雑なだけでなく、非常に精密・精巧に構成されている。両ネットワークの伸張はネトリン、エフリン、セマフォリンなどのガイダンス因子をタイミングよく「交通整理役」として使用し、目的地へと到達する。これらガイダンス因子は血管・神経の両者に作用する事から、共通の細胞内メカニズムが存在することと考えられる。私はこれら神経軸索ガイダンス因子、特に近年見出したFLRTファミリーに注目し、神経軸索伸張および血管伸張の共通メカニズムを探る。
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菅田 浩司:慶應義塾大学医学部・助教

研究課題名「血液脳関門のワイヤリング形成における静的秩序獲得機構」

 



 血液脳関門 (BBB) が脳実質と外環境を厳密に隔てる分子機構について、ショウジョウバエをモデル動物として研究を行っています。脳内毛細血管の血管内皮細胞は、密着結合 (Tight junction; TJ) を形成する事で脳実質を血流から遮断し(物理的遮断)、血管内皮細胞の血流側に局在する一連の輸送担体は、不要物質を血流中へ能動的に排出します(化学的遮断)。これらを総称して血液脳関門と呼びます。興味深い事に、ショウジョウバエは血管を持ちませんが、ヒトと非常によく似た機構で脳を隔離している事が知られています。ショウジョウバエの強力な遺伝学を用いて、BBB の分子機構を解き明かす事を目指します。
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永田 浩一:愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所・部長

研究課題名「大脳皮質形成と血管新生の相互連関の解析」



 神経発生と血管形成は、形態的・機能的に強い相互関係を有すると考えられる。しかし、大脳皮質形成期における血管ネットワーク形成の実体、および神経組織(グリア細胞を含む)と血管ネットワークの構造的・機能的な相互作用は謎のままである。そこで本研究では、1)神経と血管内皮細胞の双方で機能する分子(Septinおよび低分子量G蛋白質Rap1)の機能、および、2)大脳皮質形成障害を示すマウスモデル(reelerと転写因子SIP1-KO マウス)の表現型、に着目した解析を両輪として、「血管神経ワイヤリング」の実態の一端を明らかにしたい。また、血管ネットワーク形成におけるアストロサイトの役割についてもライブイメージングを用いて解析する。
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大野 美紀子:京都大学大学院医学研究科循環器内科学講座 特定助教

研究課題名「循環動態調節における交感神経分布様式の意義」

 循環動態は、交感神経を介した心臓の機能活性化や末梢血管収縮による制御を受ける。これは、機能的「神経−血管ワイヤリング」即ち「交感神経―効果器ワイヤリング」による制御と考えられる。我々は、細胞外ドメインシェディング調節因子であるNardilysin (NRDc)が、生体内では神経軸索成熟ならびに髄鞘形成を制御することを報告してきたが、さらにNRDc欠損マウスは著明な低血圧・徐脈を呈し、交感神経調節系の障害が示唆された。NRDcは、効果器(心臓・血管)における交感神経分布を制御し、循環動態を調節するための鍵分子である可能性が高い。本課題では「NRDcが、交感神経に発現するNGF受容体のシェディングを介して、標的臓器(心血管)における交感神経支配を調整し、循環動態を制御する」という仮説を検証することを目的とする。
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家口 勝昭:東京女子医科大学薬理学教室・助教

研究課題名「交感神経による血管支配におけるephrin-A1の機能解析」

 ephrin-A1 はGPI アンカー型の細胞膜に局在する膜タンパク質である。ephrin-A1の受容体であるEphAは隣接した異なる細胞で発現したephrin-A1とJuxtacrineと呼ばれる結合様式で結合し活性化されると考えられてきた。しかし、我々はephrin-A1を細胞膜から切断する酵素としてADAM12を同定し、切断されたephrin-A1は内分泌的に肺血管で作用し癌細胞の肺転移を亢進させることを明らかにした。すなわち、ephrin-A1は隣接した細胞に存在するEphA受容体だけでなく、遠隔臓器・組織に存在するEphA受容体を活性化することができる。本研究では交感神経による血管支配に着目し、神経と血管のクロストークにおける内分泌的に作用するephrin-A1 の機能を明らかにしたい。
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藤原 裕展:理化学研究所発生・再生科学総合研究センター・チームリーダー

研究課題名「領域特殊化された基底膜が仲介する知覚神経―毛包幹細胞相互依存」

 毛を作る器官である毛包は、発生過程で神経・血管・筋肉などと正確に連結されることにより、感覚受容、体温調節、威嚇などの高次機能を獲得します。最近、私たちは、立毛筋の毛包へのアンカリングが、立毛筋と毛包幹細胞とを隔てる基底膜の領域特殊化によって制御されていることを見出しました。本研究では、立毛筋と同様に毛包幹細胞部に特異的に連結する知覚神経複合体のターゲティングとその複雑な末端構造の形成に、毛包幹細胞やその基底膜がどのように関わっているのかを明らかにします。また、知覚神経複合体による毛包幹細胞制御機構も解析し、基底膜を介した神経―毛包幹細胞相互依存の可能性を探究します。
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水谷 健一:同志社大学大学院脳科学研究科・准教授

研究課題名「大脳皮質細胞系譜における血管発生の役割」

 哺乳類大脳皮質の発生機構を理解するために、神経と血管の相互依存性に注目している。何故ならば、中枢神経系の血管は単に成長する神経集団からの酸素や栄養に応答するために受動的に発生するのではなく、時間特性・領域特性を付与された血管が決まった場所に、決まったタイミングで極めて綿密な分子機構の元に構築し、これが神経発生を能動的に制御する可能性が断片的に見出されているためである。このような大脳皮質神経細胞の系譜制御における血管発生の意義を分子的に理解することで、高次機能を担う大脳皮質細胞構築を可能にする動作原理の解明を目指す。
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林 良敬:名古屋大学環境医学研究所・准教授

研究課題名「膵島の発生・新生における血管神経ワイヤリング形成とリモデリングの機構の解析」

 



 膵臓のランゲルハンス島(膵島)は豊富な血流と自律神経入力を受けていることが知られていますが、その形成過程や制御機構の解明は進んでいません。これは膵島が、消化酵素を産生する外分泌腺の中に散在するため、他の高度に組織化・構造化された臓器に比べて解析が困難であることが一因です。私たちが作成したグルカゴン遺伝子GFPノックインマウスのヘテロ接合体ではα細胞が可視化され、膵島の形態の解析に有用です(左図、シアン:α細胞、マゼンタ:基底膜、イエロー:グリア)。またホモ接合体はGFP陽性細胞の過形成とともに成熟後も膵島の新生が見られます。このモデルを用いて、膵島の発生・新生・増殖における血管神経ワイヤリングの形成・リモデリングのメカニズムを解明します。
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中原 努:北里大学薬学部・准教授

研究課題名「網膜における血管―神経ワイヤリング破綻機構の解明と予防・回復法の確立」



 緑内障と糖尿病網膜症は、後天性失明や視力低下の原因として大きな割合を占める、社会的問題ともなっている疾患です。私達は、これまでにラット・マウスの実験的緑内障モデルおよび糖尿病モデルを用いて一連の研究を行い、網膜において成立している神経細胞と血管構成細胞間のクロストークの破綻が、緑内障/糖尿病網膜症の発症と進行に深く関与していることを示唆してきました。本研究では、緑内障および糖尿病モデル動物の網膜における血管―神経相互依存性の破綻機構を解析します。また、私達がこれまでに見出してきた網膜循環改善薬ならびに神経保護薬の候補物質の血管―神経相互依存性破綻に及ぼす影響を明らかにし、破綻の予防・回復法の確立を目指します。
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長谷川 潤:筑波大学医学医療系・准教授

研究課題名「神経軸索再生を制御する神経―血管ワイヤリング機構」



 哺乳動物では、成熟した中枢神経系で神経軸索が損傷すると再生されることはほとんどありません。一方で、末梢神経系では成体でも神経軸索の再生がおこります。しかし、末梢神経軸索が損傷を受けたときにどのようにして軸索の再伸長が促されるのかは現在までよく分かっていません。私たちは、末梢神経系で神経軸索の損傷がおきた時に発現が変動する遺伝子を捉えることで、末梢神経軸索の再生を司る分子メカニズムを明らかにすることを試みています。その結果これまでに、末梢神経軸索の損傷部位で、血管内皮細胞の遊走を制御する分子の発現が上昇することを見出しました。本研究では、神経軸策と血管内皮細胞の相互作用を中心に、神経軸索再生における多細胞間相互作用の生理的意義と分子メカニズムを解明していきます。
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木戸屋 浩康:大阪大学微生物病研究所・助教

研究課題名「神経が支配する”動静脈ワイヤリング”の新概念」

 血管新生の制御機構が明らかになるに伴い、血管を作ることや壊すことは容易になりつつあります。しかしながら、乱雑に造られた血管は形態的にも機能的にも未熟で、発生過程で美しく構築された血管網とは異なります。真の血管再生を考える上では、血管を多数の管からなる高次組織と見なし、そのパターニング機構を解明する必要があります。皮膚の血管発生では、初期の原始血管網の形成から神経の進展に伴うarteriogenesisの誘導、それに引き続く静脈の成熟化というように、神経-動脈-静脈での相互作用が血管パターンの構築において重要な役割を果たすことが明らかになりつつあります。我々は皮膚の発生モデルを用いて、神経がどのような機序にて動静脈のワイヤリングを制御するか、さらには血管の階層構造が構築されていくかを解析します。
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森戸 大介:京都産業大学総合生命科学部・主任研究員

研究課題名「モヤモヤ病タンパク質ミステリンによる血管・神経形成の制御」

 ミステリンは日本人に多い脳血管疾患モヤモヤ病の感受性因子として同定された新規タンパク質である。600kDa近い巨大さに加えて、ATPアーゼ活性とユビキチンリガーゼ活性の両方を持つ特徴的なタンパク質である。ゼブラフィッシュにおいてミステリンの発現を抑制すると、血管新生・ガイダンスが顕著に障害されることから、ミステリンは通常の血管発生において重要な役割を果たしていることが示唆された。分子生物学的な解析からは、ミステリンが6量体型ATPアーゼとして巨大複合体 を形成し、エネルギーを消費しながら物理的な仕事をしている可能性が示唆された。分子・細胞・個体レベルの解析により、血管・神経形成におけるミステリンの機能の全貌を明らかにすると共に、モヤモヤ病発症の分子機序の解明を目指す。
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並木 淳:慶應義塾大学医学部・講師

研究課題名「神経幹細胞の自己複製とneurogenesisに関わる血管内皮分泌因子の解析」



 脳のneurogenic regionには、成体になっても神経幹細胞が存在しており、その微小環境(niche)には血管が重要な役割を果たしていることが知られています。私たちは血管内皮が分泌する新規のniche因子を同定し、この因子が神経再生に効果的に働くメカニズムの空間的・時間的な解析を進めています。「内在性神経幹細胞の活性化による神経再生」を誘導し、損傷脳において失われたニューロンを補充して、二次的脳損傷を免れたニューロンとのシナプス形成による機能的神経回路網の構築を目指します。
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渡部 徹郎:東京大学大学院医学系研究科分子病理学・准教授

研究課題名「リンパ管−血管―神経ネットワークの形成における相互作用の役割」

 血管とともに体液の恒常性維持ならびにがん細胞の転移に重要な役割を果たしているのがリンパ管です。リンパ管は成体のほぼ全ての臓器において分布していますが、中枢神経組織においてリンパ管が存在しないことなどから、神経とリンパ管の間にも何らかの相互作用が存在することが示唆されています。一方血管の形成の研究に比べて、リンパ管研究の歴史は浅くまだ未解明な部分が多く残されています。私は本領域においてリンパ管−血管―神経ネットワーク形成を調節する機構の解明を目指すことを通じて、リンパ管新生を標的としたがんのリンパ節転移などの治療法の開発を試みます。
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出口 友則:独立行政法人産業技術総合研究所・主任研究員

研究課題名「メダカの発生過程におけるリンパ管と神経の相互作用の解明」

 血管と神経に相互作用があるならば、血管と同じ脈管であるリンパ管と神経には相互作用はないのだろうか?この単純な疑問を解明するため、独自に開発したリンパ管が緑色に、神経が赤色に光る遺伝子組み換えメダカを用いて研究しています。メダカは透明な卵から体が作られるので、その課程を生きたまま観察しやすい上、遺伝子操作も簡単です。さらに、全く新しい遺伝子操作手法であるIR-LEGO法を用い、任意の単一細胞で遺伝子発現を制御し、その影響をライブイメージングすることで、リンパ管と神経の相互作用のメカニズムを分子レベルで解明することを目指します。
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