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計画班


【領域代表】

 高橋淑子  京都大学大学院理学研究科・教授

研究課題名「 血管ー神経ネットワークの形成・維持に関わる相互依存性」

 個体発生の過程でみられる血管−神経ワイヤリングのしくみを研究しています。末梢神経系は初期発生の過程で、神経堤細胞(Neural Crest細胞)に由来します。Neural Crest細胞の移動や分化に、近傍の血管が重要な役割をもつことがわかってきました。また、末梢神経軸索の伸長に関わる血管との相互作用のしくみも探っています。中枢神経系(脳や脊髄)内では、血管が一定のルートをたどりながら形成されることを見出し、現在そのルート決定に関わるVEGFの役割を解析中です。澤本和延氏(名古屋市立大学・教授)は本領域の班友ですが、H26年度から分担者として再参画の予定です。主にマウス成体脳と血管との関わりについて、多光子顕微鏡を用いたライブイメージング解析を行っています。これらの解析をとおして、遺伝子―細胞―器官レベルを統合する研究を目指しています。
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【計画班員】


1.望月直樹  国立循環器病センター研究所・部長

研究課題名「ライブイメージングによる血管-神経ワイヤリングの誘導・維持機構の解明」

 血管形成と神経形成の相互依存性を生体で明らかにするために、ゼブラフィッシュを用いて血管・神経の同時可視化を行う。血管・神経のいずれかで分子の欠落が生じた場合の他の系への影響を調べることにより相互依存性を明らかにしていきたい。大動脈からのVEGF-Cが運動神経の伸長に重要であることを突き止めた。まだまだ、伴走箇所はあるだろうけど、なぜ伴走する必然性があるのか生理的な意義の解明にちょっとだけシフトしてみることも分子メカニズムの解明に必要かな?
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2.久保田義顕  應義塾大学医学部・准教授

研究課題名「発生期網膜における血管先端細胞と神経系細胞のクロストーク」

 中枢神経の血管―神経ワイヤリングのしくみ解き明かす上で、新生仔マウス網膜を用います。血管先端細胞(Tip 細胞)が糸状突起を伸ばしつつ無血管野(低酸素領域)に遊走し、そのパターンに従って後続の血管網は成長します。このときTip 細胞に先んじて、神経系細胞であるアストロサイトがネットワーク構造を形成し、それを鋳型として血管網は形成されます。逆に血管由来の複数の因子はアストロサイト網の密度を調節するという、双方向性のフィードバック機構が存在します。我々はこの相互作用に関わる機構を解明することが、網膜をはじめとする神経系組織における血管網パターニングを理解する鍵と位置づけ、この全容を解明したいと考えております。
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3.榎本秀樹  神戸大学大学院医学研究科・教授

研究課題名「腸内の神経前駆細胞の移動を支える血管組織」

 腸管神経系は、「第二の脳」とも呼ばれる高度な神経ネットワークを構成し、多細胞生物の生命維持に必須である腸管の機能を制御しています。最近、私たちは腸管神経前駆細胞の中に、血管を足場として大腸に「近道」移動する細胞集団があり、この細胞群が大腸神経系の大部分を構成することを発見しました。そしてこの「近道」細胞群の異常がヒルシュスプルング病(先天性の腸管神経欠損)と同様の病態を誘発することを見出しました。本研究では、腸管神経が神経前駆細胞―血管の相互作用を根幹として発生する点に焦点をあて、多色ライブイメージング・マウス遺伝学・分子生物学的手法を組み合わせて、腸管神経発生の機構を明らかにしていきます。
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4.関口清俊  大阪大学蛋白質研究所・教授

研究課題名「細胞外基質とその受容体による血管-神経相互作用の制御」

 動物の器官形成は、異なる組織間の相互誘導作用により進行する。この相互作用の“場”となるのは、基底膜と呼ばれる細胞外マトリックスである。血管と神経のクロストークにおいても、両者の間には基底膜が介在している。本研究では、血管-神経相互作用の場となる基底膜に着目し、(1)血管と神経の相互作用部位における基底膜の分子的実体の解明と(2)基底膜による血管-神経相互作用の制御機構の解明を目指す。具体的には、神経幹細胞のニッチと考えられているフラクトンとリンパ管形成に焦点を絞り、血管-神経クロストークの分子機構を基底膜と細胞側受容体(インテグリン)および血管・神経誘引調節因子との相互作用を通じて解明することを目指す。
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5.瀬原淳子  京都大学再生医学研究所・教授

研究課題名「膜蛋白質のエクトドメインシェディングによる血管-神経相互作用の制御」

 細胞増殖・分化因子・細胞接着因子の多くは膜蛋白質として産生され、脂質二重層近傍外側で切断される。私のグループは、このエクトドメインシェディングに関与することが知られる、ADAMプロテアーゼに着目した研究を行っている。本領域では、神経と血管の相互作用制御におけるADAMプロテアーゼの役割、それらのプロテアーゼに依存する細胞間相互作用とエクトドメインシェディングの解明をめざす。特に現在注目しているのは、ADAM19で、心臓神経堤細胞に発現するADAM19は、内皮細胞由来の心内膜組織の形成に必要である。神経―グリア相互作用にも関わるADAM19の基質は何か、それが心内皮・新内膜組織形成をどのように制御しているのかを明らかにしたい。
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6.榎本和生  東京大学大学院理学系研究科・教授

研究課題名「血管-神経相互作用を担うシグナル分子の網羅的探索」

 ヒト末梢組織において血管網と神経網が互いに情報のやりとりを行うことは、個体の恒常性維持や高度な情報処理にとって不可欠です。しかし脊椎動物では、血管もしくは神経のみを簡便かつ直接的に遺伝子操作し、その影響を個体レベルで解析することが困難であることから、血管¬-神経相互作用に介在する分子機構は十分に理解されていません。私達は、in vivoイメージングと分子遺伝学的解析に優れたショウジョウバエを用いて、血管(気管)−神経相互作用を支える分子群を網羅的に同定し、その作動原理をショウジョウバエと脊椎動物の双方をモデルとして明らかにすることを目指します。
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7.太田訓正  熊本大学大学院・生命科学研究部・准教授

研究課題名「血管由来の細胞外因子による神経幹細胞の制御」

 私達が発見した分泌型蛋白質Tsukushiは、脳内神経幹細胞ニッチを取り巻く上衣細胞と血管に発現している。Tsukushiはその生化学的特徴から、神経幹細胞から伸びている神経突起の先端部に発現する受容体型タンパク質とアフィニティをもつ可能性を見出している。Tsukushi KOマウス成体脳では、神経幹・前駆細胞の挙動が野生型に比べて大きく変化していたが、これらの表現型は神経特異的または血管特異的なcreマウスとの掛け合わせによりレスキューされた。これらの結果は、上衣細胞と血管から分泌されるTsukushiが、神経幹細胞ニッチ制御に関わる分子実体であることを示唆するものである。本研究では、Tsukushiによる神経幹細胞ニッチの維持機構モデル「Surround Support Model」の確立を目指す。
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