第17回国際血管生物学学術集会(IVBM2012)に参加して

京都大学 山下 潤 
富山大学 山本 誠士
東京大学 渡部 徹郎
(五十音順)

 2012年6月2日〜5日にドイツのフランクフルト郊外のWiesbadenにおいて、第17回国際血管生物学学術集会(International Vascular Biology Meeting 2012: IVBM2012)が開催されました。本領域からは望月・山下・山本・渡部がそれぞれ「The essential role for sphingosine-1-phosphate transporter Spns2 of vascular endothelial cells in lymphocyte egress from lymphoid organs(望月)」「Diverse roles of protein kinase A signaling in early stage endothelial cell differentiation(山下)」「Inflammatory endothelial microparticles (EMPs) contribute to cellular interaction as a bioactive carrier(山本)」「Activation of signaling and transcriptional networks during TGF-β-induced endothelial-to-mesenchymal transition (EndMT) (渡部)」という演題で本領域における研究成果を発表しました。また総括班アドバイザーの須田年生教授(慶應大学)もStem Cell Biologyのセッションにて講演を行いました。

Rhein-Mein-Hallen。アジア、欧米諸国から約800名の研究者が集い、第17回国際血管生物学学術集会は開催された。
 本領域に関連したテーマとしては「Neurovascular Interface」のセッションがあり、当該領域における第1人者の1人であるAnne Eichmann 教授(Yale大学)や植村明嘉博士(神戸大学)らの口演がありました。新規知見としては、神経ガイダンス分子として知られるSemaphorinシグナルの血管発生における役割をはじめ、神経・血管双方に共通する分子機構についての発表は目を引きましたが、本領域のテーマである血管網と神経網の相互作用『血管−神経ワイヤリング』に関する新規知見は乏しく、当領域研究の血管生物学におけるフロンティアとしての意義を改めて実感するに至りました。

 このIVBMは世界の血管生物学の、主に基礎系の研究者が2年に1回集まるものです。今回は800名を超える参加者がありましたが、そのうち50名以上を日本からの研究者が占め、世界の血管生物学における日本のアイデンティティーを示す良い機会となりました。また、2年後の第18回国際血管生物学学術集会(IVBM2014)は京都で開催されることが決定しております(http://jvbmo.umin.jp/pdf/ivbm2014.pdf)。日本の血管生物学研究の質の高さを世界に発信し、さらには本領域の4年間の研究成果の集大成を余すところなく公開することで、本領域研究の確固たるポジションを世界において確立出来るものと期待されます。

  渡部、望月、山下、山本(左から)。当領域研究に関連する国際的な趨勢を把握し、多くの研究者とのディスカッションを通じ、交流を深めた。
 今回は自分たちの研究成果を発表、議論するだけでなく、当領域研究に関連する国際的な趨勢を把握し、多くの研究者とのディスカッションを通じ、交流を深めるための貴重な機会になりました。

 


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