新学術領域 第二回班会議レポート

 新学術領域研究「血管―神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構」第2回班会議が、8月18日から20日にかけて『ホテルグリーンピア南阿蘇』にて行われました。 本会議は、8名の計画班員に加え、25名の選りすぐりの公募班員を交えて本領域のテーマである「血管―神経ワイヤリングにおける相互依存性の成立機構」に関し、参加者全員による研究発表・討論が行われました。

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人里離れた会場はさながら『サイエンス・アイランド』と呼ぶに相応していた。

「社交辞令も上下関係もいらない、サイエンスを追求するのみ」

 高橋領域代表の研究ライフにおける一貫したポリシーであり、いまや本領域のモットーともなっているスタイルにおいては「素晴らしいご講演ありがとうございました」「不勉強なものでご教授お願いします」などの枕詞は無用、1分1秒を惜しんでサイエンスに関するディスカッションに限りある時間が充てられました。

本領域の特徴は種・臓器にとらわれないヘテロな人員構成による幅広い知識の共有、およびそれにより芽生える意外性・新規性の高い研究です。意外なところで意外な分子が繋がっていること、意外な場所での意外なワイヤリングの存在、喉から手が出るほど欲しかったマテリアルの共有・・・個々の班員にとってそれぞれ大きな収穫となったようです(文責 久保田)。

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 <慶應義塾大学医学部 生理学教室 菅田浩司>

 どういった方向の発表にするか、どんな雰囲気の会議か、はたまた服装は??等、準備期間中には期待と不安が入り交じりました。ラボの同僚に聞いてみても回答はまちまちで、どうやら領域ごとの色があるという事のようです。
 12分の発表に対して8分の質疑応答と、比較的余裕を持った議論時間が取られましたが、いずれの発表でも質問のマイク待ちができました。発表では、

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領域の大きなテーマに沿って多様なモデル動物、実験系を用いた仕事が紹介されました。それぞれのヘテロなバックグランドが今後目標に向かってどのようにワイヤリングして行くか、楽しみです。私自身の発表にも、日頃参加している学会では受けた事の無い質問を幾つも頂き、今後に向けて新たな切り口を見つける事ができたと思います。
 領域の枠にとらわれず、若手スピーカーを中心に面白い研究を紹介する「ドギャンね」セッションでも、まさにドギャンな研究に触れる事ができました。
 夜には引き続き全員参加の強化会合が開かれ、ここでは主にメンバー同士のワイヤリングがなされました。「知り合いの知り合いだ」と言うメンバーとも何人か出会いました。それまで見えなかったワイヤーを見つける事ができたのものこういった会合ならではであったと思います。代表を始め、いろいろな方と熱く語る事ができました。それぞれの輪では時に建設的な話題あり、時に鋭いダメ出しありの本音トークな時間だったと思います。
 閉会にあたり榎本和生副代表からもあったように、次回の領域会議ではそれぞれがアドバンスを持って再び集まれればと思います。皆さん頑張りましょう!


<大阪大学微生物病研究所 情報伝達分野 木戸屋浩康>

ほぼ初めての科研費採択通知での喜びから1ヶ月がたち、高揚していた気持ちも落ち着いてきた5月始めに、高橋淑子代表からご挨拶のメールが届きました。血管と神経の領域研究班の一員に迎えられた実感を得ると共に、8月に領域会議開催が開催されることを知りました。そうか、新学術領域では会議が開かれるのか、会議に参加するとはなにやら偉くなった気分だなと、何も知らなかった私はのんびり考えておりました。

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そして、「そもそも会議とはなんやねん」という疑問を持ちながらも、その後のホームページ用のプロフィールやニュースレターの原稿作成をこなしていきました。しかし、班会議の開始が近づくにつれ、その詳細が明らかになると、これはなかなか大変な会議であることに気付いたのです。まずは、そのプログラムに圧巻されました。3日間の日程で41人もの班員および学生達が20分の発表を行い、しかも朝から夜までスケジュールがぎっしりではないか!楽しいエクスカーションやレクレーションの開催などを夢見ていた私にとっては衝撃でした。
そして班会議の当日、緊張しながら熊本に向かいましたが、いざ会議が始まると不安な気持ちはすぐに消え去りました。代表を始めとする計画班の先生方によりプロデュースされたサイエンスに向かう真摯な雰囲気の中、各班員の魂のこもった発表に没頭していったのです。この領域班会議で特徴的だと感じた事の一つとして、質疑応答の活発さがあります。議論時間を8分と、通常の学会よりも長めであったにもかかわらず、発表の後にはマイクに質問待ちの列ができ、屈託のない議論が続けられました。私自身の発表でも、高橋代表からの注意の直後に「やってもうた」にも関わらず、多くの方に興味深いご意見を頂く事ができ、とても参考になりました。
夕食の後に開催された夜の会議でも、皆がそれぞれのサイエンス道をぶつけ合い、白熱した議論が深夜まで続けられました。代表自らも議論に参加され、私を含めた若い研究者と語り合うなど、この領域班のもう一つの特徴ともいえる世代の垣根を越えた一体感を感じました。
阿蘇の美しい自然の中、サインエンスのことだけを考えることができた3日間はとても充実していました。今回の班会議を通じて、血管研究者と神経研究者との間の伴走性の乱れは解消され、相互作用が始まったのではないでしょうか。次回の領域会議では、この相互作用によってしっかりとDevelopmentした、血管と神経の研究成果を見ることができるのではと期待しております。

 


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