American Heart Association Scientific Meeting 2011に参加して

京都大学循環器内科学講座 大野美紀子   
 この度、新学術領域「血管−神経」研究班の援助を受け、米国オーランドで開催されたアメリカ心臓病学会学術集会(American Heart Association Scientific Meeting 2011)に出席し、口頭発表を行って参りました。
 私の研究内容は、「交感神経系による循環動態の制御」に関する研究であり、今年8月に熊本で行われた新学術領域の班会議で発表した内容の一部を「Nardilysin Regulates Circulatory Dynamics Through Modulating Sympathetic Nerve Innervation」という形で報告させていただきました。
glia

 このセッションでは、特に中枢神経系の交感神経核に対するさまざまな直接的な刺激により、血圧制御のメカニズムを探ろうとした、九州大学廣岡先生のグループの発表が印象に残りました。この分野の研究は、すでに生理学的なアプローチで様々な成果が得られていますが、いまだ未知な部分が多くあります。古くて新しい分野、と自分で勝手に考えています。「神経の専門家」「循環器の専門家」という縦割りの研究ではなく、また生理学、分子生物学、とアプローチ法を限定することなく、各々を融合させることで病態生理により深い理解が得られるのではと今回の学会でさらに感じました。
 私が発表したのは最終日午後の口頭セッションだったためか、残念ながらやや人入りは少ない印象でしたが、その分集まった人達は皆、似たようなバックグラウンドの持ち主が多く、発表後の休憩時間でもdiscussionで大いに盛り上がりました。その際、座長の廣岡先生、Leenen先生からも、私の研究に対するアドバイスをいただきました。
 
 また、循環器学の領域は臨床から基礎まで幅広いため、日常の臨床および研究に役立てるべく、学会期間中はシンポジウムやポスター発表など、他のセッションにも参加し、知識の整理を行うと共に新たな知見に触れることでさらに自らのモチベーションが上がるのを実感しました。学会期間中、「一日一度は必ず英語で演者に質問する」ことを自分に課していたのですが、各々の発表からたくさんの刺激を受け、疑問点が湧き上がり、結局何度質問したか覚えていないくらい質問していたように思います。おかげで英語のディスカッションに対する抵抗感も少しですが薄れてきました。

 来年は当研究班主催の国際学会が奈良で開催されるということですので、それまでに現在の仕事を完成度の高いものにするべく精進し、是非次の機会でも発表させていただければと思います。この度は貴重な機会を与えていただきありがとうございました。




back
   top